バンダイナムコグループが、日本全国に20店舗以上VR体験施設を作ると発表し話題になりましたが、VRはゲームの世界だけでなく、企業活動にも大きな影響を与えそうです。
VRコンテンツを取り扱っている会社の中には、VRを使って企業の研修を行う会社も増えつつあり、VRというツールは今や“遊び”の範疇を超えた使い方が期待されています。
あのケンタッキーが導入したVRゲームが話題に!まずご紹介したいのがアメリカのケンタッキーフライドチキンが制作したVRゲーム『KFC’s New Employee Training Game Is A Sick VR Nightmare』です。
YouTubeでも研修光景が動画としてアップされていますが、この動画はケンタッキーフライドチキンの厨房仕事の一部始終を教えてくれる教材として作られました。
どの鶏肉を選べば良いのか。そして、ケンタッキーを作るまでの<パン粉をつける→揚げる>という内容を疑似体験出来るのが、こちらのVR動画となっています。
ただ、アメリカだけあって“ただのVR動画”では終わりません。
ケンタッキーの作り方を学びながら、ホラーゲームさながらの体験が出来る、ということもあって話題になった本VR動画で、アナタもお子さんと一緒にフライドチキン作りをゲーム感覚で学ばれてみてはいかがでしょうか?
海外で増えつつ”VR研修” ドライバーも医師もVRで学ぶ時代に
ケンタッキーフライドチキンのVR動画は、あくまでVRを利用した研修の1つですが、海外――特にアメリカではVRコンテンツを利用した研修が増えつつあるそうです。
アメリカのロサンゼルス小児病院では、元医師であるShauna Heller氏が医師が緊急時に乳幼児を治療する方法を習得できる VR シミュレーションの開発に1から携わり話題になりました。
Heller氏と技術スタッフが作成したVRシュミレーションでは、特定の発作に見舞われたり、アナフィラキシーショックを発症したりしている子どもへの対処法を、本物の患者と同じ状況で学習できるため、新人医師への教育コンテンツとして期待されているようです。
アメリカの大手貨物運送会社もVRを用いた事業研修導入を検討中
同じくアメリカに本社を置く、グローバル貨物運送会社、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)では、同社の社員教育にVRを用いたプログラムの導入を検討しているんだとか。
こちらの会社で学ぶことが出来るVRシュミレーションは、ドライバー教育のために作られているそうです。
研修生はVRヘッドセットを装着し、実際に運転するのと同じようなバーチャル空間でトラックを走らせ、路上の障害物の回避方法などを実際の状況に近い形で学ぶことが可能なんだとか。
さまざまな会社で増えつつあるVR研修 就職のためにもVRに慣れる必要があるかも?
ご紹介したケンタッキーフライドチキンや、ロサンゼルス小児病院、UPSのVRを使った研修は、実例のほんの少しでしかありません。
グローバル企業であるスーパーマーケットのウォルマートがVRを使って、繁忙期の忙しさなどを疑似的に体験できるトレーニング用のVRを導入予定ですし。
日本を代表する建築会社である株式会社大林組でも、VR技術を用いた施工管理者向けの体験型研修システムを開発し、アメリカだけでなく日本でも、VRを使った従業員向けの教育コンテンツは、今後増えていくことでしょう。
確かに研修用のVRシステムを一度作ってしまえば、場所・ヒト・金の制約にとらわれず従業員に対して、同じ教育を低コストで行うことが可能となります。
またVRを用いることで、体験した人の感じ方までもある程度コントロールすることが出来るため、従来の従業員教育よりも、高いマインドをもった従業員を育てることも可能になるかも知れません。
そして、これはVRを使った子ども向け教育にも言えます。
VRを職業訓練として使い、子どもの夢を育てよう!
ご紹介した通り、VRの世界は今やゲームだけに留まりません。
現在さまざまな教育現場がVRを使って、より効率よく教育を施そうとしています。
小さなお子さんをお持ちの親御さんも、これらのニュースと同じく、VRを使ってお子さんに学習コンテンツを体験させて上げたり、職業訓練を体験させてあげることで、小さなお子さんの夢を育てることが出来るかも知れません。
特にVR空間で感じる“達成感”は、潜在意識に深く植え付けられるため、良い体験をVRを通じてお子さんにさせてあげれば、VR空間で得た達成感がお子さんの成長にプラスに影響する可能性は、大いにあります。
日本の教育現場でも、少しずつVRの可能性が認められつつありますが、本格導入は、まだまだ先。
教育熱心な親御さんならば、ここは学校に先んじて、積極的にお子さんへの教育にVRコンテンツを取り入れるのも悪いことではないでしょう。
少なくとも、これからを生きる子どもたちが大人になるころには、VRを使った事業研修が当たり前になっていることだけは、確実です。