「うぇええ、気持ち悪ぃ……」 アナタはVRで酔った経験ありませんか?
VRコンテンツが他のモノにはない、没頭感があるのは、端的に言えば「脳を騙している」からに他なりません。
360°どこを見ても無限に続くバーチャルリアリティ空間を脳は、アナタもどこかで「偽物だ」と認識していても、視覚から得た情報によって「本物だ」と誤認するため、VRコンテンツはゲームやテレビなどでは、絶対に得られなかった没頭感を作り出すことに成功したのです。
しかし、VRコンテンツで楽しむことが出来るバーチャルリアリティ空間と脳に齟齬が生じると、途端に没頭感は「VR酔い」となって、利用者に牙を向きます。
<視覚>と<感覚器官>とのミスマッチがVR酔いを招く
「VR酔い」に関する研究は、まだ進行段階ですが、現時点でどうやら<視覚>と<感覚器官>との間に”齟齬”が感じるとVR酔いが生じやすくなることが判明しています。
そもそもVRヘッドセットをつけて、見ることが出来る世界は偽物です。
脳が視覚的に偽物の世界を「本物だ」と感じているから、本物だと思うのであって、アナタの身体はVRヘッドセットをつけていても、つける前と変わらない現実世界に存在しています。
たとえば、VRヘッドセットをつけてVRコンテンツの中で走り回っていたとしても、アナタの身体は椅子に座ったままですよね?
しかし、脳はアナタの身体は走っていると思いこんでしまっています。
脳はVRヘッドセットの中で広がるバーチャルリアリティの世界で「自分の身体は走っている」と思い込んでいるのですが、何かの拍子にアナタの身体の感覚器官が脳に「自分の身体は座っているよ」と脳に伝えると、脳の中で矛盾が生まれてしまいます。
▼ [脳が感じるていること] 視覚から得た情報により、現実の世界で 実際に「走っている」と思い込んでいる |
▼ [現実世界で起きていること] VRヘッドセットによって バーチャルリアリティの世界で 「走っている」と思い込んでいるが 身体は椅子に座ったままで一歩も 動いていない |
「VR酔い」の原因は脳が認識した現実世界とのズレ
アナタの脳は、自分の身体が現実の世界で走り回っていると思い込んでいる。
しかし、現実世界の自分の身体は、椅子から一歩も動かす座ったままだ――この矛盾を脳が認識すると、途端にVR酔いが引き起こされやすくなります。
「自分の身体は止まっているはずなのに、動いている」この矛盾によって脳が混乱することで、VR酔いが発生してしまうのです!
そして、この「VR酔い」はバーチャルリアリティだけの特別な出来事ではなく、根本的な原因は車酔いと同じなのです。
人間が車に酔ってしまうのは、脳が車の椅子に座っているのに、動いているという矛盾に脳が混乱してしまうからでありVR酔いと原因は、全く同じです。
だから「VRコンテンツは身体に悪いから、VR酔いが起きるんだ!」という主張は、全くのデタラメですので、ご安心ください。
「車酔い」の仕組み |
「VR酔い」の仕組み |
車の椅子に座っている ↓ 車は動くけれど、自分の身体は動かない ↓ 脳が視覚から得た情報と感覚器官から得た 情報にズレを感じる ↓ 脳が混乱する ↓ 「車酔い」になる |
VRヘッドセットをつけて座っている ↓ VRの世界では身体が動いているけれど 現実の世界では身体は動いていない ↓ 脳が視覚から得た情報と感覚器官から得た 情報にズレを感じる ↓ 脳が混乱する ↓ 「VR酔い」になる |
「VR酔い」は車酔いと同じ方法で防げる!
それではVR酔いを防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか?
「VR酔い」と「車酔い」の原因は、どちらも脳の混乱です。
逆に言えば、脳が混乱しにくい状況を作れば、VR酔いにも、車酔いにもなりにくくなります。
VR酔いも車酔いと同じく「適度な休憩」が大切です。
適度にVRコンテンツの使用を止め、脳を休ませてあげることで、VR酔いが引き起こされにくくなります。
次に「酔い止め」を飲むというのも、お手軽にVR酔いを防ぐオススメの方法です。
車酔いと原因を同じくするVR酔いにも、酔い止めは効果を発揮するので、どうしてもVR酔いをしてしまうという方は、事前に「酔い止め」を飲まれてみてはいかがでしょうか?
また車酔いと同じようにVR酔いも、何度も経験することで、その酔いが引き起こされにくくなります。
気持ちが悪くなって吐くほどVRコンテンツをプレイする必要はありませんが、気持ち悪くなる手前でVRコンテンツを楽しみ続ければ、自然とVR酔いもしなくなります。
なお、風邪などで体調が悪い時にはVR酔いしやすくなるので、病気の時はなるべくVRコンテンツを利用するのは控えましょう(ただし、ケガや病気などで痛みを感じる際に、VRコンテンツを利用すると痛みが和らぐことがあります)。