VRで目が良くなる? それとも悪くなる? 是非はわからないけど……
VRの最新研究の中でも、意外な事実がどんどん見つかっている分野があります。それが「VRと視力」の関係です。
ゲームやスマホは長時間プレイしていると、目が悪くなると言われているのは多くの方の周知のことかと思われます。
VRもスマホを使うし、ましてや直接目の近くでブルーライトを浴びるのですから、さぞ目には悪いだろう……と思われていたのですが、ここ1,2年のVRと視力に関する研究で意外な事実が判明しました。
それはVRヘッドセットを使うと、視力が回復するというものだったのです。
VRの使用は年齢に関係なく視力改善が見込めそう……?
2017年8月に中国で13~15歳の男女に対して行われた、VRヘッドセットが子どもの視力に与える影響を調査した実験データによると(※資料①)、VRヘッドセットを使ってアプリをプレイした子どもの視力の改善が見られたという衝撃な実験結果が発表されました。
しかも、医療系VR企業『Vivid Vision』で行われた、VRを通じて視力障害を回復するソフトウェアによる視力回復実験でも(※資料②)、視力の回復が認められており、眼科学系のWeb雑誌である『BioMed Journal of Phthalmology』にも「成人の弱視を回復するための新しい治療方法になり得るのでは」と掲載されました。
VRのように目を酷使するようなイメージがある最新技術は、視力が悪くなるというのが多くの人の共通した懸念内容でした。
しかし、これらの2つの実験結果により、むしろVRを利用することで視力が回復する可能性が示唆されています。
ただ、あくまでこれらの情報は実験段階のものであって、ハッキリとした研究結果は出ていません。
この段階で「VRには視力回復効果がある!」と過信するのは、ちょっと危険です。
少なくともスマホを使って楽しむタイプのVRヘッドセットは、使用するスマホの画質が悪い場合は、上記の研究結果とは全く異なる結果をもたらす可能性があります。
つまり、画質が悪いスマホをご使用の場合は、VRヘッドセットを使っても視力が回復しない可能性が高いです。
スマホの画面からは、視力に悪影響を与えるとされている「ブルーライト」が発せされているので、視力に対する悪影響はないとはいい切れません。
それではVRと長く、楽しく、上手に付き合うために、どうやって私たちの目をブルーライトから守れば良いのでしょうか?
※資料① http://n3.sinaimg.cn/sina_vr/647a35e2/20170612/YingWenBaoGao.pdf
※資料② https://www.roadtovr.com/vivid-vision-amblyopia-vr-treatment-efficacy-study/
[ひとくちコラム①]そもそも「ブルーライト」は、なぜ目に悪い?
パソコンやスマートフォン、タブレット端末にはLEDディスプレイを使用しています。
このLEDディスプレイからは「ブルーライト」と呼ばれる目には見えない光が発せられており、このブルーライトは紫外線に違い波長の光であり、紫外線と同じく身体や目に対して、強い刺激を与えます。
「ブルーライトは目に悪い」と言われるのは、ブルーライトの刺激によって、眼球の網膜や中心部の黄斑が必要以上に反応し、目に痛みや疲れを引き起こすからだと言われています。
ただし、視力の低下の原因は「目のピント機能の低下」が原因であり、ブルーライトは直接的には関係ないという研究者の方もいらっしゃいます。視力低下の原因が必ずしもブルーライトにあるとは限らないという事は、覚えておいてください。
どちらにせよ、ブルーライトの刺激によって疲れ目が引き起こされ、その疲れ目が「眼精疲労」や「視力低下」など、目に対して悪影響を与えるのは事実です。
だから、スマホを装着させるタイプのVRヘッドセットをご利用の際には、ブルーライト対策をしっかり行いましょう!
知っておいて損はなし! 今日から出来るVRブルーライト対策
それではVRヘッドセットを直接装着した際に、スマホから発せられるブルーライトからどうやって目を守れば良いのでしょうか?
それには以下のような方法がオススメです。
VRヘッドセット使用時の3つのブルーライト対策
- スマホを<ナイトモード>にする
- ブルーライトカットメガネを使用する
- スマホにブルーライトカットフィルムを貼る
VRヘッドセット使用時のブルーライト対策として手軽に行える方法としては、上記の3つの方法がオススメです。
それでは、それぞれの方法を詳しく紐解いてまいりましょう!
1.スマホを<ナイトモード>にする
お金を使わずにVRヘッドセット使用時のブルーライトをカットする方法として、オススメなのがスマホの画面設定を<ナイトモード>に変更することです。
機種によって名称は異なりますが、要は画面の設定を変更し、ブルーライトの発生率を抑えれば、VRヘッドセット使用時のブルーライトを大幅にカットすることが出来ます。
ほとんどのスマホは「設定」というカテゴリで、変更が可能です。
以下のスマホアプリのように、画面設定をアプリが自動で変更してくれるものもありますよ!
アプリURL:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ne.hardyinfinity.bluelightfilter.free&hl=ja
ただし、アプリを稼働させるとスマホのメモリを使用してしまうので、VRアプリとの併用は難しい場合も。
VRアプリや360度映像によっては、色彩が青だけ抑えられてしまうため、映像の迫力が落ちてしまう場合があります、ご注意を。
2.ブルーライトカットメガネを使用する
多少お金はかかってしまいますが、日常生活の中で受けるブルーライトの悪影響を減らす意味でも、「ブルーライトカットメガネ」は、持っておいた方が良いかもしれません。
ブルーライトカットメガネは、購入するメガネのレンズによって、ブルーライトカット率が異なりますが、どんなブルーライトカットメガネを使用しても、裸眼でスマホ画面を凝視するよりは目に優しいのは事実です。
ただVRヘッドセットの中には、メガネを着用してプレイするものが難しいものもありますよね……そんな方には「ブルーライトカット対応コンタクト」の使用をオススメします。
ブルーライトカット対応コンタクトレンズも、ブルーライトカットメガネと同じく、日常生活の中で受けるブルーライトの悪影響から目を守ることが出来ますよ!
3.スマホにブルーライトカットフィルムを貼る
日常的にスマホを良く使っており、VRヘッドセット使用時のブルーライトもカットしたい、そんなアナタはスマホに「ブルーライトカットフィルム」を貼り付けてみてはいかがでしょうか?
ブルーライトカット率は、フィルムによって異なりますが、そこそこのブルーライトカット率で良ければ、100円均一でも、スマホ用のブルーライトカットフィルムを購入することが可能です!
これでVRヘッドセットからのブルーライトからの害は減らせますね!
VRヘッドセットは、普段スマホを使っているよりも、もっと近い距離でスマホの画面と接します。
日常生活の中でも、スマホを使っていて、なんだか目が疲れる……という方はご紹介したブルーライトカット対策は行った方が良いでしょう。
またVRヘッドセットの使用時には、こまめに休憩したり、当サイトでご紹介している「眼球ケア」を行うことで、目、目の周りへのブルーライトの負担を和らげることが出来ます。
目はむき出しの臓器であり、他の臓器と同じように替えの効かない存在です。
スマホ以上に一生付き合っていくものだから、目をしっかりといたわってくださいね!